INMU KINGを評論家が本気で聴いたらこうなった

AIで作られた楽曲と映像が、ネットミームを題材にして大きく再生される。そんな異色の広がりを見せているのが、やじゅまんの「INMU KING」です。公開から約2カ月後も再生数の節目が報じられ、ダンスの派生や音楽解説動画にもつながっています。どこが人を惹きつけているのでしょうか。

「INMU KING」はミームを一曲の作品にまとめたMV

「【MV】INMU KING / YAJU-MC」は、2026年8月10日にチャンネル「やじゅまん」で公開された動画です。生成AIを使った楽曲・映像で、ネットミーム由来の語録やキャラクターを題材にしています。元ネタには成人向け作品に由来する要素があると報じられているため、視聴する際はその背景にも留意したいところです。

動画はこちらです。

再生数は報道時点で伸び続けています。ユーチュラは10月19日公開の記事で、10月18日にYouTube版が2,600万回に到達したと報道。台湾メディアの4Gamersは10月20日、2,700万回を突破したと伝えました。取得時点や報道元が異なる数字なので、同時刻の厳密な比較ではありません。

また、オリコン週間YouTubeチャートでは9月25日〜10月1日集計、10月2日〜8日集計の両方で2位でした。ただし、このチャートは同じ楽曲の複数バージョンや許諾されたユーザー動画なども含む集計です。MV単独の再生数と混同しないようにしましょう。

「一度見たら終わり」ではなく、踊りや解説に広がる

注目したいのは、動画の再生だけで話題が閉じていないことです。ユーチュラは、別の人物にダンスをさせるAI二次創作が広がり、「INMU KINGの刑」と呼ばれる流行になったと紹介しています。どれほど広く浸透したかを示す統計は確認できませんが、元動画を見た人が、さらに別の形で遊べる余地を持っていたことは、拡散の一つの手がかりです。

音楽評論系YouTuberのみのも10月16日に「INMU KINGをちゃんと聴いてみた」を公開しました。記事によると、イントロの発音、ラップ主体の構成、サビ前の間、歌謡曲に通じる音階やラテンのリズム、振り付けなどをヒット要素として分析しています。ミームとして笑うだけでなく、曲の作りを語りたくなる点も、話題が続く理由かもしれません。

みのの解説動画はこちらです。

ユーチュラが紹介したコメントには、途中から音楽解説として感心したという趣旨の反応や、冒頭の語り口への反応がありました。これは一部のコメントであり、視聴者全体の意見を代表するものではありません。それでも、最初は意外性で引きつけ、後から音楽面の分析へ視点を切り替える流れが、別の楽しみ方を生んでいるようです。

AIの意外性と、参加しやすい「型」

人気の理由を考えると、AIの不自然さやミームの既知性だけで説明するのは足りません。みのの分析で挙げられた曲の構成や振り付けに加え、見る人が真似したり、別の題材に置き換えたりしやすい「型」があることも、派生を促した可能性があります。これは確認できる派生現象をもとにした考察で、視聴者全員の動機を示すものではありません。

チャンネル登録者数は、ユーチュラの計測で2026年10月20日18時51分時点に79,600人でした。チャンネル全体の総再生数は約4,811万回ですが、こちらも「INMU KING」単独の数字ではありません。数値は変動するため、いずれも計測時点の参考値です。

話題が続くかは、派生の広がりにも注目

比較として、Mrs. GREEN APPLEの「共犯」も、公開直後の勢いを示す例です。オリコン報道によると、2026年10月3日公開のMVは、公開から6日21時間を迎える前に1,000万回再生を達成し、グループ自身の最速記録となりました。サビのダンスをきっかけに「#共犯ダンス」が話題になったとも報じられています。制作側が語るMVの二面性については、公式サイトの告知やBehind the Scenesに関する報道で確認できます。

「INMU KING」は、ミームを共有する面白さに、音楽としての分析や参加型の派生が重なった事例です。短期的な再生の勢いだけでなく、二次創作や解説がどのように続くかを見ると、YouTubeで話題が育つ仕組みも見えてきます。ネットミームを知らない人も、まずは曲や映像の作りに注目してみると、別の楽しみ方が見つかるかもしれません。

参考

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